偽装問題に一言

偽装問題に一言

小山秀男の日々雑感メニューの偽装表示が連日マスコミで取り上げられている。阪急阪神ホテルズ、リッツカールトンにはじまり、名門ホテルといわれるニューオータニやホテルニューグランドでも偽装が発覚した。さらには、そごう西武、三越伊勢丹など有名デパートでの食材偽装が報道されている。
阪急阪神ホテルズは当初、偽装ではなく、連絡ミスによる誤表示だと釈明していた。小さいエビを総称して芝エビというのが料理人の習わしだ、ともいっていた。しかし、結果として多くの利益を得ていたのでは、社会から糾弾されても仕方ない。

世の中には、偽装、もしくはそれに近い行為が氾濫している。
女性タレントの年齢詐称はご愛嬌かもしれない。大きなエビ天のつもりで買って食してみたら、半分は衣だったというのはよくある。多少腹は立つが、二度と買わなければいい。

困るのは、バレない偽装だ。雑誌の公称部数なども、その口だ。
美容の業界誌に広告を出そうとして各誌の媒体資料を集めたら、全部の発行部数はなんと200万部を超えた。「日本にはそんなに多くの美容サロンがあるのですか」と不思議がるクライアントに、「一軒の美容サロンで10誌以上読んでます」と答えて煙に巻いたという、某業界誌の広告営業担当者の話を思い出す。

医師免許を持たない偽医者もいた。そういえば美容師免許を持たないカリスマ美容師もいた。彼ら「なりすまし」が、患者や客に意外と評判がよかったりする。しかし、バレれば当然社会から制裁を受けることになる。

今回のメニューや食材の偽装も長年、利用者にバレなかった。一億総グルメ時代といわれている割には、日本人の味覚はたいしたことないのもバレてしまった。しかし、いったんバレたら影響は大きい。
今回の偽装問題で、年末に販売するおせち料理の売れ行きが芳しくないと伝えられている。これも社会からの天罰だろう。一部の不届きものによって受ける影響は、関係する業界全体に及ぶ。

幸い美容サロンでの偽装は聞いたことがない。永遠に、偽装は存在しない美容業界であってほしい。

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