美容業界の未来を切り拓こう タイトル

美容業界の未来を切り拓こう

昨年末、政権に復帰した安倍晋三首相のアベノミクス効果で為替は円安に振れ、株価は上昇した。美容業界も増収に向け大いに期待できそうだが、安倍政権の政策にいち早く反応した為替、株価はマーケットの先行指標ともいえるが、実態経済はというと、円安によりガソリンをはじめ小麦や食料品などの輸入品が早くも値上がりし始めた。円安になれば、輸出企業は業績を回復するだろうが、原材料を輸入している企業は逆に苦しくなる。輸入品の値段が上がって、給料が上がらなければ家計は苦しくなるばかりだ。

政府の呼びかけに応じ社員の給与を上げた会社がある。名乗りを上げたのは、デフレに一番苦しんでいる流通関係の会社が多い。自らが先陣を切ってデフレから脱却するための弾み車になろうとする意志表示なのだろう。デフレから脱却するには、労働者の給料アップが前提になる。労働者の給料があまねく上昇するには、人手不足の状況にならなければ難しい。人手が余っているのに自社の社員の給料を上げたとしても、正規社員と非正規社員の格差が開くばかりだ。これでは格差社会を助長する結果になる。

政府は平成25年度予算で公共事業費を復活させた。復興需要に沸く仙台市の繁華街の状況を見れば、飲食・サービス業など生活衛生業に波及するのは分かる。しかし、公共事業のテコ入れは、過去の例では一過性で終わっている。日本経済全体への永続的な波及ははく、結局は莫大な借金を後世に残すだけだ。というわけで、日本経済を復活させるには、大胆な構造改革、規制緩和にかかっている。どのような英断がくだすか、現政権の決意と力量が問われるところだ。

一方、美容業界はというと、恒常的なオーバーショップ状況が続くなか、デフレ下で業績を伸ばしているのは大手の低料金店ばかりである。低料金店の伸長は、一般の美容店の顧客を奪い、経営を圧迫する。さらに近年、美容師を目指す若者が急速に減少している。美容業界の労働環境は、低賃金、長時間労働、社会保障の遅れなど様々な問題がある。これでは志望者が減るのは当たり前だ。そして、美容師のなり手が減少することは、業界の衰退に直結する。

日本経済の復活を目指し国をあげて取り組んでいるいま、美容業界としても英知を集めて、業界の未来を切り拓くための方策を考えなければならない。

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