男性美容師の生きる道 タイトル

男性美容師の生きる道

円高、増税、TPPと日本の将来は不透明感が増している。中でも身近なのが年金の問題だ。68歳から支給する案が示されているが、定年後の数年間、どう生活すればいいのだろう?

その点、美容師さんは定年のある仕事ではないから大丈夫かというと、そうでもない。 定年のない仕事といっても、それは独立開業しての話である。しかし、いまの時代そう簡単には独立できない。もちろん若くして成功する人もいるが、いまではまれな存在である。経営は技術とはまた別の才覚が必要で、独立しても夜逃げ同然に撤退する人が後を絶たない。

独立できないとなるとスタッフとして雇われることになるが、こちらも現実は厳しい。
政府が毎年発表している「賃金基本統計調査」(平成22年版)によると、理美容師の平均月収は23万3100円で、このデータをもとに計算すると年収は284万8900円になる。調査は10人以上雇用している理美容店が対象で、平均年齢は28.3歳。理容師と美容師を併せたデータになっているが、理美容師の年収は他業種より低い。国家資格を必要とする他の職種と比べと、残念ながら相当に低い。

28歳といえば結婚適齢期だが、23万円では一家を養えない。しかも一般企業のように、歳を重ねるほどに賃金が増えていけばいいのだが、美容業界はそうはなっていない。 逆に中年になった男性美容師は店にとって困った存在になってしまうのが現実だという。

いくら若作りしても、若いお客さんからは敬遠されてしまう。同年代の男性客が客につけばいいが、若いころ美容室に通った男性客の何割かは理容店に行ってしまう。だいたい美容室に行く男性客は若い美容師さんにやってもらいたがるものだ。女性美容師なら、中高年になっても働けるし、産休後の復職も歓迎されるのだが、男性美容師は辛い。

雇われ男性美容師に未来はないかというと、そんなことはない。カット&ブローだけしかできない男性美容師は難しいが、逆に中高年の男性美容師にしかできない分野もある。お客様の髪や肌の相談にのってあげてアドバイスして差し上げる、ヘアとスキンのカウンセラーだ。

中高年には若い美容師にはない信頼感がある。もちろん、それには必要な知識を学ぶ必要があるが、カウンセラーとしてその存在を発揮できるのは中高年男性美容師だからこそできるのである。これは独立を果たした美容師さんにもいえることだ。
男性美容師が急増してから10数年。転業したしてしまった人も多いが、彼らが中高年期を迎えようとしているいま、私は彼らがカウンセラーとして美容業界で活躍するすることを願いたい。
お客様の悩み解消カウンセラー、それが男性美容師が生き残る道といえる。

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