ネット時代が早める「美容室の淘汰」 タイトル

いまインターネット時代である。

ガラパゴス状態として揶揄されながらも日本独自の進化を遂げてきた携帯電話ですら、ipadやスマホが登場し、インターネットへの接続が基本になりつつある。

インターネットに関しては、パソコンを使っての普及は、大きく出遅れている美容業界だが、携帯電話を使う美容師さんは多い。これからはipadやスマホがこの業界にも普及していくのは確かだ。
そんな状況を見越して、日本でのipadの販売しているソフトバンクと美容業界への販売を契約した会社もある。美容業界にipadを売るにあたっては、美容業界向けに専用アプリを開発して売るという。すでにipadを所有している美容師さんは少なくないが、専用のアプリが開発されるとなると、これからの普及に拍車がかかるだろう。
ヘアスタイルが収録されてて、お客様は自分にあったヘアスタイルを選べる、そんなアプリも登場している。ヘアに自分の顔をかぶせてイメージを具体化して、しかも左右・前後すべての方向からイメージを把握できる。髪色を自由に変えることもできる。そんなアプリだ。
お客様が自由にヘアスタイルを選べるということは、お客様が求めるヘアスタイルを提供できなければならない。当然技術者の技術力が求めれるし、技術者を教育できるかが鍵なる。教育システムがしっかりしていれば対応できるが、業界の多数を占める中小規模の美容室では難しい。 ipadやスマホの普及は美容業界に大きな変化をもたらす可能性がある。

その一方で、いま美容の料金はデフレ経済下で下落している。しかも原発事故に伴う電力の節約は国民にいっそうの節約マインドを促す結果となった。そんな中、話題になったのが野田佳彦総理の1000円カットでの散髪報道である。
1000円カットはいまや男性だけのものではない。若い女性はともかく、中高年女性、子供も利用している。何しろ「早い」「安い」「うまい」と三拍子揃っている。
いま駅の構内やその周辺に多く立地している1000円カットだが、これからは人が多く集まる場所ならどこでも立地できる。それほどマーケットが拡大している。そんな1000円カットに役立つのが先のipadやスマホの活用である。なにしろ1000円カットは省スペースが業態の一つの条件で、客待ちスペースも限られている。そんな店舗でも混雑時にipadやスマホを活用すれば、順番が近づいたら連絡することも可能だ。その間お客様は自由に近隣を散策できる。1000円カットはますます普及するのは間違いない。

政府の統計データをみても、ここ数年、美容のマーケットが縮小しているのははっきりしているが、不思議なことに店舗数、従業者数は増え続けてきた。そんな美容業界だが、いよいよ限界点に達した。私が数年前から言っていることだが、「淘汰の時代」が現実にやってきたのだ。

この淘汰の時代を「ピンチはチャンスだ」などと私は言わない。三分の一のサロンが淘汰される可能性があり、今まで通りのことをしているなら、生き残るのは極めて難しい。淘汰されずに生き残るには、発想の転換が必要である。発想を転換しても成功するとは限らないが、何もしなければいづれは淘汰される。
この厳しい時代を生き残り、なおかつ繁栄を勝ち取るためには、再三言っていることだが、お客様の悩みを解消してさしあげること、画期的な技術革新が難しい美容業界では古い技術を見直すことによるレトロイノベーションしかない。

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